滅多にない事件のよくある背景
ニュースになる事件というのは滅多に起こらないからニュースになるわけですが、その中には社会的によくある背景を持った事件もあります。以下に紹介する事件は、農村における「貧困」という背景をよく表している事件だと思います。
事件の概要を紹介しますと、ある農村の一家の話です。その一家は、両親と息子、娘の四人家族です。お父さんは、病気がちで2003年に死亡しました。息子は、交通事故で両足にけがを負い、娘は一家の生計を助けるため「美容院」で仕事をしていました。この「美容院」で仕事というのは、おそらく売春のことだと思われます。(上記記事中にもそれらしき表現あり) ところが、この哀れな娘はついに発狂してしまい、治療費のない一家は、処置に困り、母親と息子が共謀して娘を殺害した……というものです。
最後の「娘を殺害」というのは滅多にない事件であり、それ故にニュースになったものと思われますが、それ以外の「病気」「交通事故」「売春」「精神病」というのは、実は農村の貧困を表すキーワードと言って良いくらい、貧乏な農村ではよく見かけるものです。
なぜ、私がそう言うことを知っているかともうしますと、かつて貧乏な農村で学校に行けない児童を援助するという活動のお手伝いをしたことがあるからです。そこで私は「没落していく農民のパターン」というものを目の当たりにしました。……このあたりの話は、追って紹介していきたいと思っています。
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