東方大学城事件(その3)
というわけで、続きです。22億円もの負債を抱え、しかも、全く返済する姿勢を見せない大学城に対して、裁判所は支払いを命じる判決を下しました。その判決に従って、強制執行措置がとられ、八つあった大学城の銀行口座は全て差し押さえられました。
しかし、この銀行口座には全くお金が入っていなかったのです。大学城は、ゴルフ場を経営し、不動産を売り、それ以外に本業の学生も受け入れもやっていますが……なぜか、その銀行口座にはお金が無く、ここから債権者にお金が渡ることはありませんでした。
それなら、次は資産の競売です。大学城には、ゴルフ場、別荘、マンション、校舎など、たくさんの不動産があり、これを売れば債務の返済も難しくないはずです。……しかし、この大学城の不動産は競売にかけることが出来ない物件だったのです。
まず、多くの不動産が違法状態で建設されており、各種許可証などを備えていません。つまり、こんな物件を競売にかけても誰も買わない……というわけで、今に至るまで大学城の物件が競売にかけられたことはありません。
それなら、中にあるパソコンや机など、移動できるものでも……というので、一部の債権者が実力行使に及び、備品を運び出そうとしましたが、これも阻止されました。何でも大学城は、「教育施設」であり、そこからものを持ち出すとはけしからん、と言う論理であるようです。(しかし、「教育施設」だから、債権者の権利が無くなると言う法的根拠は全くないようです)
この事件、何でも史上最大の「工事代金未払い事件」なんだそうです。しかし、当の大学城の責任者である金衛華というお方は、この大学城でずいぶんと金もうけをしているようです。(続く)
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