My Photo
December 2024
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

Recent Trackbacks

無料ブログはココログ

« 今日はもっとさぶい | Main | 深センについて »

2004.03.03

恵州での話

 私が初めて恵州にいった時の話です。恵州は広州から長距離バスで1~2時間程度で行ける街ですが、正直言って、いなか街です。

 初めて恵州の街に着いた私は、路線バスに乗りました。そして、バスの運転手に「蘇東坡記念館に行きたいんだが……」というような話をしました。少し話し込んでから、バスの運転手は私に「お前、この土地の人間じゃないな。どっから来た?」と聞きました。私は、素直に「日本から来た」と答えました。

 すると、当時乗り合わせていた乗客(全部で5人くらい)がみんなビックリ。あるおばあさんは、「わたしゃ、東北の出身だけど、てっきりあんたは東北から来たと思いこんでたよ」などと言い出しました。

 余談ですが、私は、中国の北部に行くと「お前、南から来たな」と言われ、南部に行くと「お前、北から来たな」と言われる程度の語学力の持ち主です。つまり、私のしゃべる中国語は「なんかヘン」と人に思わせるものがあるのです。

 こんな田舎町ですから、外国人が珍しいんでしょう。私が日本人だとわかると、みんな私を取り巻いて、なんやかんやとしゃべり出しました。そのうち、乗客の一人が「でも日本は昔俺たちの敵だったんだよな」とポツリとつぶやきました。

 そこで、明るかった雰囲気が一気に暗くなりました。くだんのおばあさんも「私のおじさんの家は日本軍に壊されたんだ」とつぶやきました。しかし、その時、バスの運転手が「でも、今は友達じゃないか。おい、日本語で友達って何て言うんだ?」と私に聞きました。私は彼に日本語で「トモダチ」と言いました。

 「トモダチ……か。良い響きだ。今日は一つ日本語を覚えたぞ。トモダチだ」

 そう言って運転手が明るく笑うと、車内も一気に明るくなりました。私は、この運転手の笑い声が、春のそよかぜと一緒に車内を流れていくように感じました。

« 今日はもっとさぶい | Main | 深センについて »

中国生活情報」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 恵州での話:

« 今日はもっとさぶい | Main | 深センについて »