退耕還林について
退耕還林とは、耕地を林に戻すという意味です。現在、中国の農業生産量は減少の一途をたどり、国家的に農業生産をあげようとしているのになぜ耕地を林に戻さなければならないのでしょうか?
この原因を語るには「農業は大寨に学べ!!」というスローガンから語らねばなりません。これは、毛沢東が言い出したスローガンで、大寨というところで、農民の自主的な努力によって農業の生産量が飛躍的に上がったことから全国の農村は大寨のやり方を勉強しなさい、という意味です。で、この大寨では、多くの段々畑が作られ、それが大々的に宣伝されたたために、大寨に学ぶという名目のもと、中国中に意味のない段々畑が作られました。
意味のない段々畑とは、平地で作物を作れるのにわざわざ山の中に入って、段々畑を作った……それも、急な斜面とかに作ったものだから、段々畑の一段一段がとても小さくて、本当に意味がない──ということだと思ってください。
そういう段々畑は、「大寨に学べ」キャンペーン中は幹部たちの成績を上げるのに役に立ちましたが、現在はほったらかしにされています。そして、そういう場所がたくさんあることで、土砂の流出などが起き、環境に悪影響を及ぼしている──ということで、表題の「退耕還林」が行われ始めた……ということです。
この「退耕還林」運動の跡は中国の田舎で電車やバスに乗っているとき、注意深く外を見ているとあちこちに発見することができます。なぜかというと「大寨に学べ」キャンペーンも「退耕還林」運動も線路沿い、道路沿いを中心に行われる傾向があるからです。(みんなに見せびらかすために……ということです)
以上は、人民網で「退耕還林」に関するニュースを読んで思い出したので、書いてみました。ちなみに同記事を見た感じでは、ふつうの植林運動も、「退耕還林」と呼ばれているようです。
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