食事のマナー?ガラの処理
中国の南と北の食文化の違いについて、もう一つ書きます。それは、食事中に発生するガラについてです。
ガラというのは、ここでは食事中に発生する食べられないもの──魚や鶏の骨や貝殻など──を指します。このガラの処理ですが、日本の中華料理屋さんでは大概ガラを入れる器があって、それに入れていけばいいようになっています。しかし、私は中国でこれを見たことがありません。あのガラ入れはどういう経緯で日本の中華料理屋さんにあるんでしょうか。(有識者のトラックバック・コメント希望(^^;)
で、ガラですが、華南地方では、まず、個人用の取り皿(小さい皿)に置いていきます。そうすると取り皿には、だんだんとガラがたまってきて、スペースがなくなっていきますが、たまってくるとお店のサービス係の人が取り皿を新しいものに取り替えてくれます。
では、北の方はどうかと申しますと、多分、取り皿がいっぱいになっても、サービス係の人が自発的に換えてくれることはあまり無いでしょう。(こっちから換えてくれと頼めば別ですが……) では、どうするのかといいますと、これはケースバイケースですが、一般にはテーブルの上に置いていくのが普通です。
ここで私の体験談をします。これは、西安に住んでいた頃の話です。私はある社会的地位の高い人(以下Aさんと呼称)の家に夕食をお呼ばれに行きました。Aさんは、海外滞在経験もあり、その辺の痰を吐くおじさんやゴミをポイ捨てするおばさんたちとは一線を画すべき人物でした。 で、私が、そのAさんの家で夕食を食べていて、ガラを取り皿の中に置いていると、Aさんが、「そんなことをするな」と言うではありませんか。そして、私に「そのガラは全部テーブルの上に置きなさい」と言いました。
その時、私はカルチャーショックとも言える衝撃を受けたのですが、その後でAさんたちの行動を見て、何となく理解できるようになりました。と言いますのも、メインの食事を終えて、デザートが出てくる前に、Aさんの息子さんたちが、テーブルの食器をかたづけて、その後、テーブルをぞうきんで拭いて、テーブルが本当にきれいになったからです。
つまり、「テーブルの上にガラを置いていく」という行為はそれだけで存在するのではなく、その後で「テーブルをきれいにかたづける」という行為とセットになっているのです。
よく食事中にテーブルの上にガラを置いていく中国人を見て「あんなに散らかして……」と言う人がいますが、それは時と場合によりけりです。もし、そのテーブルが誰も片づける人がいない状態であれば、それは「散らかしている」だけですが、もし、自分の家とかレストランとか──後できれいに片づける人がいる状態であれば、それは「置いている」に過ぎないのです。
……以上、よく知りもしないのに言い過ぎちゃったかな?と言う気もしないでもないですが、みなさまのコメント・トラックバックも参考にしたいところです(^^;。
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