転廠について(その3)
一見とても便利に見える転廠ですが、時としてうまく行かないことがあります。転廠は、規定により価格、計量単位、商品コード、名称などが一致していなければならないのですが、多くはこの規定から来る問題です。
まず、価格ですが、両者の価格が一致しないケースがとても多いです。といいますのは、多くの取引に香港の親会社や商社が介在するからです。つまり、転出方が受け取る金額と、転入方が受け取る金額が一致しないわけで、こうなると規定通りに言えば転廠できなくなります。また、通関価格と実際取引価格に差が出た場合、それが外貨取引であれば、外貨バランスに影響をもたらすことになります。
それ以外にも、税関区を跨いだ場合、所轄税関の解釈が違うことにより、計量単位や商品コードがあわないと言う事態も時に発生します。そうなった場合も転廠することができなくなります。
そうなるともう一旦海外(香港など)や保税区に輸出して、再輸入するしか方法がなくなるわけです。ただ、輸出・再輸入方式だとコストがアップするので、できるだけ転廠でやりたいのが企業の本音です。そこで、大切なのが、転出企業、転入企業、所轄税関の協調になってくるわけですね。ここをうまくクリアできる企業であれば、転廠ができる機会も増え、ビジネスチャンスにもつながる──というわけです。
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