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2004.09.10

ボランティア活動について

 以下は中国農村話です。

 わたしが留学生の頃参加したボランティアについて書きます。それは、学校に行けない子供たちを支援すると言うものでした。主に大学の先生方がやっている活動と日本人留学生が中心になってやっている活動の二種類がありました。

 中国人の先生方がやっているのは、優秀な学生を選んで、その子を支援するというものです。これが、日本人が中心になってやると、「成績に関係なく、学校に行けない子を支援する」というものに変わります。また、先生方は、中学生以上(大学卒業まで)が対象ですが、日本人は小学生が中心です。

 資金源は、先生方はポケットマネーと留学生から集めた資金であるのに対し、日本人は日本で知り合いから集めた募金が中心です。まあ、いずれにしても資金量は知れています。

 わたしは、日本人ですが、実は中国人の先生方の方が現実的だと思っていました。なぜなら、日本人の「成績に関係なくすべての学校に行けない子に……」というやり方は、聞こえは良いですが、よほど豊富な資金がない限り、実現不可能です。限られた資金を生かすには、成績のいい子を選んだ方が効率的です。また、対象年齢も小学生より中学生以上にした方がいいと思います。なぜなら、わたしが行った地域では、「小学校は借金しても行かせるが、中学以降は借金するくらいなら行かせない」という傾向がありました。ですので、私が行った地域では、小学校の卒業率はほぼ100%であるのに対し、中学校の卒業率は70%くらいでした。

 そういう状況の中で貧しい小学生にお金を上げると言うことは、彼らの借金を払って上げている……ということになります。まあ、それだけでも大きなことなのですが、どうせならそういう子たちが行きたくてもいけない中学校に通う費用を援助してあげた方がいいのではないか?……という意見をずっと主張し続けていたのですが、残念ながら、日本人グループの中では全く一顧だにされない意見でした(^^;。

 援助の方法ですが、どうやってお金を渡すか……これが一番難しい問題です。親に渡せば、親が使うし、先生(学校)に渡したら、先生が使う、教育委員会なんかに渡した日にはどこに行くのやら……という状況です。私たちがとった方法は、貧しい家庭を一軒一軒まわり、親と子供の前で我々の趣旨を告げ、お金は学校に渡す……というものでした。そうすれば、先生も勝手にお金を使うことは出来ないし、親も子供を学校に行かせないわけにはいかなくなります。また、援助する子供は、学校が選ぶのですが、実際に家庭を回ることで、「本当に貧乏かどうか」を確認することも出来ます。こういう活動をやると、時々貧乏でもなんでもない人がお金をもらう側に入っていたりするのです。これは家を回ったくらいで、完全に防げるとは思っていませんが、我々には、少なくとも一件のニセ貧乏を発見したという実績があります(^^;。

 つまり、我々の活動は、「農村貧乏な家庭巡り」でもあったのです。そんなこんなでわたしは、農村の貧乏な家庭や農村の教育事情に頭をつっこむことができました。

 次は、農村の教育事情について書きたいと思います。

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