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2004.09.13

貧乏の典型1

 以下は中国農村話です。

 以前申し上げたとおり、私たちのボランティア活動は「農村貧乏な家庭巡り」でもありました。というわけで、わたしは、数々の貧しい家庭を訪問することになり、ある程度のパターンというのをつかんでしまうことになりました。あまり、こういうことをおおっぴらに書くものでもないかも知れませんが、備忘録として、また、もしかしたら、こういうことに(まじめな)興味を持っている人がいるかも知れないので、その人のためにも書きます。

 パターンのその1は、両親が精神病……というパターンです。これは見ていて一番つらいパターンでもあります。中国の農村では、どういう訳か精神病患者が多いです。先天的な人も、後天的な人も、どっちもいます。これは、栄養不足のためなのか、地域的な問題なのか、閉鎖された地域の中で、血統が濃くなってしまうためなのか、よくわかりません。ただ、わたしたちが訪ねた農村で、こういう家庭が多かったのは事実です。

 中国の農村では、結婚率はほぼ100%です。早い人で、10代(たぶん違法)、遅い人でも20代で結婚します。中には、事情があって30代になっても結婚できない人がいますが、そういう人は「異常な人」と見なされます。そして、精神病の人も、結婚します。彼らの場合、周囲が結婚させる、という方が正しいかも知れません。そして、その相手は、だいたい同じ病気の人か、身体障害者であることが非常に多いです。

 しかも、そういう家庭に限って、何人も子供がいます。そうなると、どういう状況になるかは想像できるでしょう。それは、見るに耐えない状況です。また、中国では精神病に対する偏見も強く残っています。中国では「神精病(精神病の意味)」と言うだけでののしり言葉です。また、「農民」と言うだけでもののしり言葉になります。言葉狩りをするようですが、こういう言葉が平然とののしり言葉として使われるのは、つらいものがあります。(まあ、日本でも似たようなののしり言葉はありますが)

 この家庭訪問は、学校の先生も同行するのですが、学校の先生ですら、精神病患者に対する蔑視をあらわにするくらいです。そんな家庭の子供たちは、学校でもいじめにあい、家では貧しい暮らしに耐え……本当につらい目に遭っています。わたしも何例も見ましたが、もう、これ以上書きたくないくらい……見ているだけでつらかったです。

 世の中にはこんなにかわいそうな子供たちがいる……わたしは何もしてあげられないけど、ただ、なにがしかのお金を出して、この子たちの学費を出してあげることは出来る……実際に見ると、ボランティアなんて、バカにしていたわたしでもそのように思い始めました。

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Comments

うーん……

実際に体験された話なので、すごく重みがありますね。
われわれも、ちっとも中国の現実を理解していないということ。

 まあ、これも「中国の現実」である、ということですね。

 わたしの体験など、知れています。この前紹介した『中国農民調査』を読んで、本当にビックリしましたもの……。わたしは、この本の著者ほど、ディープに関わったわけではありません。

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