交通大学の本家争い
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本家争いの話で思い出しましたが、わたくしが留学していた西安交通大学も本家争いに参加していました。
日本では交通大学と言っても「緑のおばさん養成所?」と勘違いされそうなくらい無名ですが、中国では長い伝統を持つ大学として有名です。ただ、その歴史の複雑さから「○○交通大学」という名前の大学はあちこちにあります。わたしの知っている範囲内では、西安、上海、北京(北方)、成都(西南)です。
その中で、上海交通大学と西安交通大学の間で密かな本家争いがあるようです。交通大学というのは、もともと上海にあったのですが、戦後、ほとんどの設備と生徒と教員は西安に移転しました。しかし、そのうちごく一部が上海に残っており、上海に残っていた交通大学は、驚異的な生命力を発揮し、上海交通大学として発展しました。さらにその地の利を生かし、大学ランキングでも西安交通大学を抜かし、実力では○○交通大学中トップに躍り出ました。
……と言うのが、大まかな歴史。まあ、どっちが本家なんてどうでもいいし、この二校は姉妹校として表面上は仲良くやっています。しかし、上海交通大学の関係者あたりと話をすると、どうも「うちが本家だ」と言う意識が強いようです。で、そのあたりを西安交通大学の関係者に向けると「何を言うか、あのとき、交通大学のほとんどの設備と教員は西安に移転したんだ。うちこそが本家」と結構マジになります。
ちなみに西安交通大学の正門(北門)の看板には「交通大学」とあるだけで、「西安」の二文字はありません。これは、「うちこそが交通大学の本家」という主張の現れなんでしょうね。また、上海交通大学のHPには銭学森さんという有名な学者が卒業生として紹介されていますが、西安交通大学にも銭学森記念図書館というのがあります。
あと、有名な卒業生としては江沢民さんがいます。江沢民さんは、国家主席だった頃、よく西安交通大学に訪れ、当時の関係者に会って「まるで故郷に帰ってきたようだ」というような発言をしていたそうですが、上海交通大学に対しては、どのような扱いをしているのかはわかりません。(ちなみに江さんは上海にあった「交通大学」の卒業生) 一説によると、江沢民さんが、国家主席になってから、西安交通大学に対する予算配分が多くなり、大学ランキングも若干盛り返してきたとのことです。(それまでは立地条件の悪さから、落ちる一方だった(^^;)
さっきも書きましたが、わたくし個人はどっちが本家でもどうでもいいと思っております。ただ、一留学生に対して、あんな必死な言葉を投げかける上海交通大学関係者も大人げないような気がしますね。あと、ランキングにこだわりすぎるのもな~と思います。(これは西安交通大学関係者に対して(^^;)
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