給料未払い
以下は中国にある給料未払いの実例についてです。
暴動のことを書いていて、ふと、このことを書きたくなりました。それは、わたくしが実際に聞いた給料未払いのことです。
わたくしの知り合いのAさんは、ある国営企業の工場に勤めていました。で、このAさんが、未払いの被害者なんですが、二年以上も給料なしで働いていました。なぜ、こういう事態になるかと言いますと、この工場の工場長が極悪人で、給料を払わずに、売り上げを全部自分のポケットに入れて、私腹を肥やし(同時に潤沢な賄賂も送っていたと思われ)……というパターンです。この極悪工場長は、さらにこの工場を勝手に人にレンタルするという行為に及びました。レンタルされた人は、人件費タダのこの工場から利益を吸い取るだけ吸い取ります。しかし、普通に考えても、こんな経営が長続きするわけがありません。従業員は次から次に辞めていき、工場は、ついに半分休業状態になってしまいました。
……で、どう見てもこの工場が倒産するのは時間の問題なのです。倒産するとどうなるでしょうか? おそらくは、国有財産の払い下げという名目で、安く民間に土地を工場を売り渡し……ということになると思われます。Aさんは、この清算の時に自分にも、分け前があるのでは?と言う目論見と仕事を探しても見つからない、と言うあきらめから、ずっとこの工場で働き続けました。ちなみにこの街は、ずっと不景気で、就職難がつづき、道路を清掃する人でさえ、コネを使ったり、賄賂を送ったりしなければ、なれないという状態だそうです。まあ、家でぼーとしていても仕方がないし、仕事でもするか……という感じなんでしょうか。
極悪工場長ですが、かなりいい暮らしをしているようです。工場がこのようなことになっても責任を問われることもないそうですが、それは、上部への潤沢な賄賂がものを言っているのかも知れません。
こんな話は中国の田舎に行けばいくらもありそうです。前に紹介した大学城事件とか、こういう事例が報道されるのも、珍しくありません。(ただし、「暴動」になると滅多に報道されませんが……) こんなことで暴動が起きない方がおかしいのですが、中国の人は、お上に対してはおとなしいので、Aさんの工場でも暴動など、起きたこともないようです。
Aさんは、今、親戚の人が始めた工事現場で仕事をするようになり、やっと収入が入ってくるようになりましたが、その仕事もずっとあるわけではありません。Aさんの収入がない間は、Aさんの奥さんがずっと肉体労働をして、一家を支えてきました。なんか書いているとつらくなってくるのでこの話題は、このあたりで止めます。
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