長虹が米で債権回収不能に!!
このニュースは、我々中国でビジネスをしている人間にとっては実に興味深いニュースです。
中国カラーテレビ大手である長虹が、アメリカで売掛金約300億円を回収できず、巨額の損害を出したというニュースですが、中国、売掛金、未回収……と言うと、中国で国内販売のビジネスをしている多くの日系企業が悩んでいる問題だと思います。つまり、中国では、多くの日系企業が、中国企業からの売掛金回収に悩んでいるという事実があるのですが、このケースは、逆に中国企業が進出先のアメリカで売掛金が回収できず、巨額な損害を発生させた……という例です。
さすがは生き馬の目を抜くアメリカ市場──あの中国企業から金をむしり取るとは……、と感心して(?)読んでいたのですが、読み進んでいくと、以下のような部分にぶち当たりました。
当初は米国の中国製カラーテレビへの不当廉売認定などの影響としていたが、その後債務不履行でエイペックスを米国で訴えていたことが分かったほか、エイペックス創業者の中国系米国人季竜粉氏が昨年10月に中国で身柄を拘束されていたことも判明した。(NIKKEI NET:国際 ニュース)
……中国系米国人、ということは、結局元もと中国人だった人ということですよね。結局、元中国人が、中国企業の債権を踏み倒した……と言うだけの「よくある話」でしたか……。しかも、
エイペックスは、テレビやDVDプレーヤーを米国で安値販売し、一時は大きなシェアを持っていたが、ソニーなどに特許侵害で訴えられ急速に競争力を失った。 (NIKKEI NET:国際 ニュース)
エイペックスというのは、この記事によると、長虹のアメリカ総代理店だったそうで……つ~ことは、特許侵害で訴えられたのは長虹の製品では? だとすると、結局、もともと長虹が特許無視の商売をしていて、それがアメリカでは通用しなかったというだけなんじゃあ……という気がするのですが、どうでしょう?
……と思っていろいろググっていたら以下のような記事を発見しました。
APEXは中国製DVDプレーヤーも米国で販売していた。同プレーヤーは特許料を払わずに生産されたものだとしてソニーなど日本企業が米地裁に提訴。APEXは支払いに応じたため資金繰りが悪化し、長虹向けの代金が支払い不能になったという。(NIKKEI NET:国際 ニュース)
長虹と書いていないところを見ると、長虹ではないのかも知れません。ただ、中国製DVDというと、かなり強烈な特許侵害を各社がしていたと言う経緯があったやうな……まあ、長虹がDVDを作っていたかどうかは知りませんが……。
また、以下のリンクによると、長虹は、「紅太陽計画」に失敗し、海外進出をいそいだ結果、中国系米国人の企業にだまされたと言うことになっています。紅太陽計画とは、農村でテレビを売ろうというものだったようで、農村部の経済がいっこうに良くならないことから挫折したようです。
長虹と紅太陽というのは、実は、わたくしが、日本にいた頃、中国語の勉強のため聞いていた短波ラジオのCMで、「長虹、紅太陽、永遠更新」みたいなスローガンをおじさんがよく叫んでいたことが思い出されます。スローガンはうろ覚えですが、あのCMの路線って、見事にこけていたのですね(ちょっと複雑)。
« 陳真先生逝去 | Main | ゴルフ始めるかも? »
「中国ニュース」カテゴリの記事
- AIIBの拒否権について(2015.06.30)
- 不動産市場はまだまだ底堅い?(2014.08.16)
- 失言が失言足りえる状況(2014.07.26)
- 加齢臭という「伝説の青い鳥」(2014.07.26)
- 中国で放送事故(2014.04.12)
« 陳真先生逝去 | Main | ゴルフ始めるかも? »
Comments