翻訳のやり方
おとついは愚痴りましたが、実は、翻訳の仕事は結構好きです。わたくしの場合、法律を翻訳することが多いのですが、法律というのは、日本語も中国語も同じで、「誰がどう読んでも同じような意味になる」ことを目指しているため、かなり不自然でわかりにくい文体になりがちです。……で、そう言う文章を時にはパズルを解くがごとく解読していき、しかも、意味を絶対に間違ってはいけない……という法律の重みも感じながら訳していくのは、きついですがやりがいのある仕事です。
わたくしの場合、まず、中国語文をプリントアウトし、紙にします。画面で見ると、目が疲れるので、こうしていますが、紙にしても字が小さすぎると目が疲れるので、フォントサイズは12くらいにして、プリントアウトします。で、紙を見ながら、画面を見ず、ひたすらタイピングをします。タイプするときは、気持ちと手をシンクロさせないとタイプミスが続出します。この辺は、感覚ですが、心で思っている速度が速すぎて、手がついていかない……と言うことがよくあるのです。ですので、ちょっと抑えめのスピードでタイプして行きます。(ただ、のってくるとスピードは速くなってきます)
画面を見ないとタイプミス、誤変換の嵐になります。その辺は、少し入力したら画面で確認し、発見したものだけをその場で直していきます。ただ、この段階では、気持ちがのっていくことが大事で、とにかく、前に進むことを考えます。ですので、確認も細かくするわけではなく、おおざっぱにやるのがコツです。
で、最後まで行ったら、訳文をプリントアウトし、原文とつきあわせてチェックします。これも、画面を見ると目が疲れるので、紙でチェックし、間違っているところはパソコンで修正する……という塩梅です。実は、この段階が一番しんどい……というか、やる気が起きないプロセスですが、仕事なのでそうも言っていられません。突っ走っている分、誤変換やタイプミス、日本語の間違い(特に「は」と「が」とか、てにを……とか)を厳重にチェックします。
実は、昨日まで長文の法律を訳していました。それは、日本語文の方がA420ページになる長文で、きつかったのですが、何とか最後のチェックする段階まで来ていました。で、そう言う頃になって、初めて某銀行さんより、この法律の日本語文が来まして……ちょっとガッカリしたのですが、その日本語文を使って、自分の翻訳のチェックをしました。
こうやって、チェックすると原文とつきあわせるよりも効率がいいのです。どっちもが同じ箇所を間違っていない限り、お互いがお互いをカバーして、より完全なものになります。そして、何より人の翻訳というのは、見ていて楽しいです。訳すのに苦労した部分を「この人はどういう風に訳したのか?」とか……すごく参考になりますし。でも、一番楽しいのは間違いを発見したとき(^^;。今日参考にした訳文は、かなり間違いが多かったですね。しかも、肯定と否定を取り違えるとか、段落が抜けているとか──結構致命的なミスが多かったような……。こんな人でも、プロとしてやっているのなら、わたくしだって、プロになれそうな気がしました。まあ、プロと言っても、いろいろあるんでしょうが……。
以上、翻訳仕事について、だらだらと書いてみました。
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