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2005.02.07

漢字を捨てた韓国

 最近、韓国のことを書くことが多いので、ついでに書きます。

 今の韓国の若者は、漢字を書けません。以下のリンクによると、「中学校と高校の韓国史と国語の教科書には固有名詞や名前などの漢字(1800字)は導入(どうにゅう)しましたが、実質的に学校から漢字教育をなくしてしまいました。もちろん小学校の教科書はハングルだけです。」と言うことらしいです。

c3.html

 わたくしが留学していたときも、韓国人は漢字で苦労していました。我々日本人は、漢字から勉強する必要はないのですが、彼らは漢字を一部しか知らないので、ある一定レベルに達すると、漢字の練習をやらなければならないのです。しかし、彼らのしゃべっている言葉(朝鮮語)には漢語がたくさんあり、その比率は日本語とそう変わらないでしょう。日本語にたとえると、漢字を「かんじ」、国家を「こっか」という風にひらがな読みでしか覚えていないために漢字が出てこない、という状況のようです。

 留学生時代にフランス人同学(以下Aと略称)と韓国人同学(以下Bと略称)と以下のような会話をしたことがあります。

A:フランス人が英語を勉強するのは難しくて、出来ない人も多いんだ。

私:へぇー、そうなんだ。でも、あなたは英語がぺらぺらだから、さぞかしがんばって勉強したんだろうね。

A:でも、実はフランス語と英語の間には同じ語彙がたくさんあって、そういう意味では勉強するのは簡単さ。

私:それは、日本人が中国語を勉強するのが簡単なのと同じだね。

B:じゃあ、俺たち(韓国人)はどうすればいいんだ~。

 そのとき、わたくしは「日本語を勉強するときは有利だよ」と言うようなことを言いましたが、心の底では「そうやって祖先が一生懸命勉強してきたものを捨ててきたツケが回ってきてるんだよ」と思いました。

 わたくしのように無学なものが、中国語をある程度マスターし、漢詩を作って遊んだり出来るのは、ひとえにご先祖様が一生懸命漢文を勉強してきた文化遺産のたまものです。現代日本人にとってネックになる「ng」や「n」の発音も、音読みを見れば古代の日本人がしっかり聞き分けていたことがわかります。また、夏目漱石さんや乃木将軍あたりが、とても上手な漢詩を書いていますが、中国語の出来ない人があのレベルの漢詩を書くには、漢和辞典一冊程度の知識が頭の中に入っている必要があります。それくらい、昔の日本人は必死になって漢文を勉強したのです。これは現代の英語ブームなどとは比較にならないくらいの真剣さなのです。

 もちろん、朝鮮半島の人たちも同じように漢文を勉強したに違いありません。しかし、彼らは、その大部分を捨ててしまおうとしている……なんともったいないことか。自国文化の中に他国文化のすばらしいところを取り入れる、それを継承すると言うことのすばらしさが理解できないのでしょうか? 文化というのは交流することで飛躍的に発展するのです。英語だって、上記会話のようにフランス語の語彙や「ツナミ」などの日本語の語彙を貪欲に取り入れて、柔軟に発展してきています。また、そういう文化でなければ、世界標準になれないし、他との交流を否定するようでは、取り残される一方でしょう。

 同じような意味で日本語の中の外来語に反対する人たちにも違和感があります。反対している人たちは、頭の固い自分が理解できないと言う理由で、日本語、日本文化の発展を阻害しているように見えるのはわたくしだけでしょうか?

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Comments

ふーむ

今日のお話には含蓄がありますね。
とても納得させられる、いいお話でした。
(^_^)

初めてコメントいたします。
「MONBO:: CHINA」に登録されてから見るようになりました。
とても納得できるご指摘、いい話だと思います。
北京に住み、中国や韓国のことをどんどん体験し、知ることで自分が日本人であることの意味を常々考えされます。
これからも、頑張ってください。

ピーちゃんの身元引受人さん:
TKMさん:

今回の書き込みは……というか、今回もあまり考えずに書きなぐるという「これがブログだ」と開き直らざるを得ないような駄文ですので、そのように言っていただけるととてもうれしいです。

これからも当ブログをよろしくお願いします(^^)。

 このお話は、文化的な影響力の点でいろいろ観点があると思います。例えばベトナムはフランス統治時代もあって漢語起源の熟語が相当あるにもかかわらず韓国以上に徹底的に漢字使用を排除してアルファベット化を推進しました。多分、漢字を勉強しようとするベトナム人は苦労していると思います。ただそれ以上にベトナムとしての独立性、中華圏の文化的影響力からの脱却と言うメリットに国家としてのアイデンティティーを見いだしたとの面ではあながち非難も出来ないのかも知れません。
 逆に言うと中華圏にどっぷりつかった日本や韓国は漢字文化のくびきから逃れようにも逃れられなかったって感じかも。明治の日本でも「かなもじのかい」とか「ローマ字會」とかの漢字廃止運動は盛んに行われ、八紘一宇の名の下にアジア圏に勢力を伸ばした時には「日本語はわかりにくすぎる」との意見から使用漢字制限案が出され、戦後の当用漢字制定に繋がってきているらしいです。
 新中国も漢字廃止の方向でピンイン表記を制定し、簡体字を過度期の文字として廃止する方向だったそうです。

....私もまとまりのない話になってしまいました(^-^;)。もうちょっと整理して、いずれ自分のブログで書こうかと思います。どうも。

わたくしは、漢字という表意文字の文化は素晴らしと思います。書道という芸術も漢字がなければ成り立たなかったでしょうし、文字が一字ずつ意味を持つというのは、アルファベットなどにはない深みを感じます。

まあ、その逆に覚えにくくて不便ということもあるのですが、日本での識字率を見ると教育制度さえ充実させれば何とかなるレベルであるようにも思えます。

この問題については、いろんな角度からのご意見を拝聴したく思いますので、また、岸上さんのブログで書いていただければ……と思います。

朝鮮半島の場合、脱漢字の流れは数十年前からのことで、非常に政策的に行われたのではなかったでしょうか。考えられる理由として、地理的政治的な背景があります。当時、西は中国、東は日本、北はソ連(ロシア)。内には38度線を抱えるお国事情。常に周囲のプレッシャーを感じるなかで、指導者層の中に「私たちのもの」を渇望する気持ちが大きく、拠りどころとして採用されたのがハングルだったと。李朝時代に独自に作り出したものですし、アイデンティティーの象徴として一定の機能を果たしたように思います。
ちょっと横道にそれますが、個人的には日本漢字も簡体字も繁体字も、ひらがなもカタカナもハングルも、それぞれに味があって美しいデザインだと思います。

北朝鮮、韓国と全く体制の違う二つの国がこの部分についてはほぼ同じようなことをしていることを考えるとおっしゃるような歴史の必然があったのかも知れません。

ただ、そうやって伝統を捨ててしまい、文化の味わいとか深みをなくしていくというのは、実にもったいない、と思う次第なのであります。

「世界標準」「他との交流」ということをおっしゃるのであれば、漢字ほどそれをさまたげている要素はないとおもいます。
ご興味があれば田中克彦「差別としての文字」「日本語学」(1991年3月明治書院)をご参照いただければ。

文化というのは交流しながら発展していくものであり、深みを増していくものです。日本語に残る漢語はその痕跡なのです。そう言ったものを捨てていくのはもったいない……という趣旨なんですが……。

ご推薦の本ですが、時間もないし、海外在住なのでとりあえず読むつもりはありません。

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