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2007.05.05

試験に出ない漢詩の読み方(1)

 昔同様の文章をHPにのっけていましたが、すでに閉鎖されているため、もう一度書きます。

 漢詩というのは、一般の方にとってはよくわかりにくいものだと思われているようです。まあ、もともとが外国の古典文である漢文でできているポエムで、「韻」「平仄」などの難しいルールがある……昔、漢文を自在に読める人(中国歴史専攻の方)から、「漢詩は難しい」といわれたことがあります。しかし、わたくしから言わせるとその方が毎日読まれている史書のほうが、固有名詞はバンバン出てくるわ、書き方が簡素すぎるわ、で「読もう」という気すら起こさせないくらい難解です。

 漢詩も漢文の一種ですが、所詮は定型文です。フリースタイルの「古詩」においても、一定の型を持っています。特によく目にする「絶句」「律詩」といった「近体詩」は、型で縛られまくっているガチガチの定型詩です。もちろん、その型(ルール)には、非常に難解なものもありますが、一般人でも一目で瞭然というものもあります。

 以下「近体詩」の「一目瞭然」ルールについて説明します。

 春眠 不覚暁、

 処処 聞啼鳥。

 夜来 風雨声、

 花落 知多少。

 上記は、超有名な五言絶句『春暁』の全文です。表記するに当たって理解しやすくなるように若干の「加工」をほどこしております。まず、言えるのが句ごとで改行しています。本来漢文というものは、基本的に「改行」「句読点」なるものが存在しないものです。

ですので、この詩を正しく表記すると以下のようになります。

春眠不覚暁処処聞啼鳥夜来風雨声花落知多少

 これは冗談ではなく、今でも本当に書道作品などではこのように書くのが正しい書き方なのです。ただ、このように書いてしまうと一部のマニア以外には理解しにくくなるので、今では、上記のように句ごとに改行するのが普通になっております。

 先ほど「本来漢文というものは、基本的に「改行」「句読点」なるものが存在しない」と書きましたが、上記「加工済み春暁」には句読点が存在します。これは、中国における表記法に倣ったもので、句を意味合いごとでセットに分け、セットの最後には「。」、それ以外の句の末尾には「、」を打つ、という決まりに従ったものです。

 それに基づいて、上記「加工済み春暁」を見ますと、一句目の末尾に「、」、二句目の末尾に「。」があることがわかります。つまり、この句読点を打った人(わたくしですがw)は、一句目と二句目がひとつのセットとみなしているのです。同じように三句目と四句目もひとつのセットとして捕らえられているのがわかります。

 これは、別にわたくしが内容を深く吟味してこのように句読点を打ったのではなく、単に中国の習慣に沿って句読点を打ったに過ぎません。中国で見る句読点による区切りは、たいていが二句で一区切りになっており、たまに三句で一区切りになっているものも見ますが、「絶句」「律詩」などの「近体詩」では、確実に二句が区切りの単位になっています。

 わかりにくい言い方になってしまいましたが、「漢詩は普通二句で一区切り」ということが言いたいのです。漢詩を見たときは、まず二句づつの区切りに分けて考えましょう。特に絶句の場合は、4句しかありませんから、二句ずつ、つまり「前半」と「後半」に別れると考えたほうがわかりやすくなります。国語の時間で「起承転結」と習ったと思いますが、そうやって独立して句を捕らえるより、二句のグループに分けて考えたほうが圧倒的にわかりやすくなります。

 この「二句で一区切り」という考え方は、漢詩の基本と言えると思います。この考え方を発展させると、「対句」という漢詩の美しい表現方法になりますが、ここではおいておきます。

 長くなりましたので今日はこの辺できります。ちなみに「三句で一区切り」になる漢詩(あるいはその一部分)も例外的に存在しますが、少なくとも「絶句」「律詩」ではそのような例はありえません。

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