このニュースの背景を「説明しよう」
izaで見つけたニュースですが、恥ずかしながらこんなことがあったなんて知りませんでした。
「ファンら数万人がデモ、中国サッカーの処分めぐり怒る」世界から‐中国・台湾ニュース:イザ!
ただ、この記事を読んだだけでは、なんのこっちゃ背景がわかりませんな。というわけで、ネットで調べた結果を以下にまとめます。
1.北京対武漢の試合で、武漢の選手が北京の選手を踏んづける。
2.北京の選手が怒って、武漢の選手のクビをしめる。
3.審判が北京の選手にレッドカード。
4.試合後、北京がサッカー協会に審判の判定について異議申し立て。
5.と同時に「対策がない場合は、リーグから脱退」と表明。
6.サッカー協会は、両選手を8試合の試合停止処分に。
7.今度は「処分が重すぎる」と武漢が逆ギレ。
8.武漢は同時に「処分の変更がなければ、リーグ脱退」と表明。
9.サッカー協会は武漢の要求をはねのける。
10.両者協議するも決裂し、武漢はリーグ脱退を決定。
11.10月2日の試合も武漢が試合放棄。
12.同日ファンが暴れる←いまココ。
……とまあ、実に複雑な背景があるわけですね。ちなみに北京の選手を踏んづけた武漢の選手とは、日本でも有名な李[王韋]峰選手です。彼は、中国チームのキャプテンを務めるくらい優秀なプレーヤーですが、むしろ「鈴木選手のクビを締めたアイツ」としての知名度の方が高いでしょう。今回は、逆に締められたのですが、相手選手からすると「掟破りの逆クビ締め」のつもりだったのかも知れません?
ちなみに李選手の華麗なる戦績は、こちらでどうぞ。
レコードチャイナ:<サッカー>日本戦を騒がせた「クビ締め王子」李選手のそう...
ところで、この事件の背景には、武漢がリーグ陥落を防ぐため、李選手を苦労して取ったという事情があるようです。それにしても、選手もファンもチームも大人げないですね。協会は、権威が全くないし、、、中国サッカーの現状を見事に表しているといっても過言ではありません。
(追記)
この記事を書いた後、知ったのですが、武漢の脱退を受け、協会は、武漢の全試合を0-3として処理すると発表。今度は、この情報を知った遼寧が脱退を表明しています。理由は、この処理によって、武漢に勝った同チームが不利になるため。引き分けたチームの勝ち点も1から3になり、2点加算されますが、結果として武漢に勝ったことのある同チームのリーグでの成績が相対的に悪化し、降級の恐れが強くなったためです。
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ひゃ~あ
すごいことになっていますね。
当事者である両チームだけでなく、「遼寧チームまでが脱退を表明」というのが興味引かれますね。
ただ、厳しく処分すれば、みんな満足するという訳じゃないのね。
世の中、複雑なのだ。
Posted by: ピーちゃんの身元引受人 | 2008.10.04 04:36 PM
この問題は、複雑な背景を抱えているだけに斜め上の展開を見せつつありますね。
基本的な背景は、やはりサッカー協会の権威が失墜していることでしょう。クラブは、ことがあるごとに「脱退」を叫んでいるのが現状です。北京にも、前科があります。以前、審判の判定に不服を持って、脱退をほのめかし、選手を試合に出させなかったことがあります。
武漢も数万人のファンがデモをするくらいですから、熱狂的な地元ファンに支えられてきたチームなんです。そのファンたちの気持ちを踏みにじるような決断をしてしまうチーム側の判断はわたくしには理解できません。
Posted by: 河村 豊 | 2008.10.04 10:41 PM