AIIBの拒否権について
今日はAIIBについて書きます。
我が国はAIIBに参加することを見送りました。よって、我が国民の多くにとって、AIIBがこけることはいわゆる「メシウマ」なニュースになり、おそらく多くの国民が「そういうニュース」を見たがっているのでしょう。
で、「AIIBではちうごくに拒否権がある」という報道が頻繁にされています。わたくしも「あー、拒否権ね」といった漠然とした感想しか持っていませんでした。
で、昨日のことですが、暇つぶしにツイッターを見ておりますとドイツのメディアの報道が目にとまりました。
http://www.dw.com/zh/创始成员国签署亚投行基本大法/a-18546754?maca=chi-rss-chi-all-1127-rdf&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter
中文ですが、リードのところで「AIIBでちうごくが全面的拒否権を持っているわけではない」とあります。この辺り、日本のメディアとは書き方が違いますね。ドイツは、参加した側なので、AIIBが失敗されたら困る立場ですし、面白そうなので、続きを読んでみました。
すると、「AIIBでちうごくの出資比率は30%あるが、出資比率が低い国に多めの投票権を割り振っているので、投票権は26%」と、さりげなく「公平にやってますアピール」がありました。いい遅れましたが、このメディアは中共の提灯記事を書いて、亡命民主派の方々から批判された過去を持っています。
さて、さらに読み進めますと、「しかし、一部の重要案件では75%以上の賛成が必要であり、そういった案件ではちうごくが拒否権を持っていることになる」とのこと。
で、その重要案件とは、「総裁の任命、会員国の脱退あるいは資格停止、定款の変更」だそうです。
つまり、ちうごくが持っているのは個別の融資案件について、ちうごくさまの虫が好かない案件はボツにできるとか、そういう「オレ様拒否権」ではありません。ただ、日本のメディアの報道では、まるで「オレ様拒否権」があるかのように書かれていますね。少なくとも、拒否権の内容がどういうものかを書いた報道は、わたくしがググった範囲ではありませんでした。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150629/k10010132031000.html
例えば、上のリンクにあるNHKの報道では、「オレ様拒否権」があるかのように書かれています。でも、NHKがうまいと思うのは、「『オレ様拒否権』がある」とは、一言も書いていないということです。うまくインドの高官の話をつなぎ合わせてそういうふうに持っていっています。
ちなみに、上の3つの拒否権ですが、わたくしが面白いと思うのは、2番目のやつですね。抜けたくてもちうごくさまの同意がなければ抜けられないというw つまり、一旦振り込んだら、資金の引き上げができない仕組みなんですね。
で、最後はやっぱり、「マスコミ報道って、本当に注意してみないといけませんね」と言うことです。
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