ある昭和の名作アニメと民法
今日はいつもと雰囲気をガラリとかえて、法律のことを書きます。
ある昭和の名作アニメを見ていて、下のような例題を思いつきました。
アニメの主人公であるAは、書き初めのために新聞の広告を見て習字の作品を書き上げました。その作品には「売家」と書かれてありました。出来上がりに満足したAは、その作品を自分の家の表札の上に貼り付けました。その前を通りかかった金持ちの秘書らしき男(以下Bと略称)がそれを見て、Aに「表の紙を見てきたのですが、いくらですか」と聞きました。それに対してAは「あれだったら500円でいいです」と言いました。
Aは、表に貼った習字の作品の値段について言ったつもりなのですが、こういうやり取りがあった場合、この家の値段が500円だと思われても仕方がありません。Bはとても安すぎるので、おかしいとは思ったようですが、即座に「買います」という返事をしました。そして、Aの気が変わらないうちに既成事実を作ってしまおうとばかりに業者を呼んで内装工事まで始めました。この後どうなったかが、いまいち覚えていないのですが、当然ながらBの悪だくみはうまくいかないと言う結末に終わったと思います。
口頭ながら、売買の意思確認をした時点で契約は成立していると思いますが、この場合問題なのはAの考えている売買の対象とBの考えている売買の対象が違うと言うことです。これは民法における意思表示の錯誤に当たると思います。
Aの側にも重大な過失があると言えなくもないですが、これだけ重要な取引でありながら契約書も交わさず内装業者まで呼んで既成事実作りをしようとしているBの行為から見て、Bは明らかに悪意であると言えるでしょう。悪意である以上Bの保護をしなければならない理由はまったくないわけですから、この場合この取引は最初から当然に無効であったと言うことができると思います。
一応法律の勉強しているもので、時々こういう風なことを考えたりします。もしかしたら間違っているかもしれません。
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