雑詩
雑詩
王維
君自故郷来、
応知故郷事。
来日綺窓前、
寒梅著花未?
中国に住んでおりました頃、時々日本のことが気になったものです。「今日も西明石駅では定刻通りに新快速が発車しているんだろうなぁ」てな感じで。
そして、いざ彼の国を離れることとなりました折には、「日本に帰ると南海大道をブレーキをきしませながら204路線のバスが行き来することが気になるんだろうなぁ」とか思いました。
帰ってみると、実際はバスの運行よりも、歩道端で売っているライチやマンゴーの方が気になるのですが。
というわけで、大詩人であらせられる王維さんは、庭の梅の木を気にし(菅公も同じですね)、現代の底辺国民であるわたくしは、公共交通機関や果物などを気にするという話でした。
書いてみて思ったのは、この詩は故郷から来た知人に質問するという形式をとっていますが、実際に誰かが来たわけではなく、自分の心残りを表現するためにこういう形式をとったのではないかということです。
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