【漢詩】自河南経乱関内阻飢兄弟離散各在一処因望月有感聊書所懐寄上浮梁大兄于潜七兄烏江十五兄兼示符及下[圭β]弟妹
こういう題の詩です。律詩や絶句といった近体詩は内容が短いので、詠んだときの背景まで書ききれないということがよく生じます。でも、背景を入れたいというときは、序文を付けるか、こうやって題名にダラダラと書き連ねることになります。逆に背景を知られたくないときは「無題」などといった題名をつけることもあります。
だから、漢詩において題名というものはとても重要で、漢詩じゃなくても、題名をおろそかしている文章を見ると「なんだかなぁ」と思ってしまいます。
で、この詩ですが、七言詩です。内容は暗いです。これは、前に書いた「あまりにも暗すぎる曲を長調で作曲する」ような感じがします。そこで題名を見てみると「寄」の文字があります。つまり、この詩は各地のいとこたちに郵送したものなのですね。
手紙を受け取ったいとこたちからするとこの内容で五言詩だったとすれば落ち込んでしまうでしょう。でも、七言詩であれば救いを感じるんじゃないでしょうか。
そんなことも感じました。
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