翼をくださいというアレな歌
標題にある歌については、わたくしの中学高校時代、先生方の受けがよく、合唱コンクールなどで歌わされた記憶があります。当時は、子どもだったので、疑問を持たずに歌わされていましたが、今から思えば、この歌は鳥類をコケにしまくった、無学な人間が書き、無学な人間がそれを聞いて好きになったりした無学な歌であると断言せざるを得ません。
いつもながらわかりにくい文章ですいません。以下にこの歌が如何に無学の境地であるかを記していきたいと思います。
まず、ヒトの身体に羽根をつけただけで空が飛べるという超安易な発想です。鳥類を研究している学者さんによると飛べる鳥の体重の上限は20kgなんだそうです。つまり、ほとんどの人は生死に関わるような減量をして、はじめて飛ぶ身体となる入口に立てるというわけです。
そして、これはただの入口であり、これからもっとありえない現実と向き合わなければなりません。背中に羽根が生えたら、いとも簡単に空を飛べるとこの歌は言っているように聞こえますが、鳥類は、背筋で空を飛んでいるわけではありません。彼らが飛べる秘密は、強靭な胸筋にあり、それを支える板のような形をした胸骨にあります。大きな筋肉は、それを支える骨格がなくてはなりません。ヒトの肋骨では、その限界まで筋肉を鍛えたところで空を飛べるような力を出すことはできません。
さらに鳥類は気嚢というものをもっており、これを使って呼吸することで、人から見るとチート級の持久力をもっています。
それ以外にも、鳥類は、飛ぶためにさまざまな身体の構造を持っており、背中に翼が生えたら、なんて妄想をするくらいなら、航空券を買ってくださいと言いたいです。
さらに「悲しみのない自由な空」などという妄言についても書かせてください。空に「悲しみ」があるかないかは、正直断言できませんが、「自由」については「ない」と断言できます。
何せドローンを飛ばすことでさえ許可がいる地域があるくらい空には法的な規制が敷かれています。その上、風向きなどの気象条件など、飛ぶにあたっては自由とは言いがたい問題があるでしょう。
結論を言わせてもらうと、この歌は現実逃避の歌です。地上で苦しい現実に遭い、それを乗り越える努力もせずに、空を飛ぶ鳥を見て、「あー、アッチは楽そうだな」と隣の芝生的安易な発想を得て作られた歌で、現実逃避に急ぐあまり、鳥類の厳しい環境に適応すべく進化してきた現状や航空規制などの事故を防止するための人類の知恵などを見落としてしまったものと思います。
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