離党勧告と別離声明
最近、本邦の政権与党にて、不祥事が続発し、数名の幹部が処分を受けることとなりました。そこで「離党勧告」なる処分が下ったとのこと。この「離党勧告」、実はわたくしが尊敬いたします高橋是清翁も自民党の前身とも言える立憲政友会から食らったことがあります。
とは言え、是清翁たる者、今の小者政治屋とは違い、セコイ裏金を溜め込んでいたワケではありません。その頃、立憲政友会は野党だったのですが、当時の政権与党の首相の誘いに乗って入閣してしまったため、この処分を食らったのです。なぜ入閣したかというとそこには深いワケがあるのですが、ここでは省略します。
しかし、この「離党勧告」、功を奏しません。是清翁は以下のように言って、勧告に従わなかったのです。
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議会政治を信奉するこのわしが、自分で政党を脱退することなんか考えられるものか。護憲三派時代、わが輩が盛岡で代議士に打って出たときの宣言を知っとるじゃろう。自分は、憲政を常道に復したい希望である。斎藤にしろ、岡田にしろ、自分と同じである。政友会は床次を除名した。その理由は岡田内閣に行ったからだというそうだ。しかし岡田は憲政常道のためにはたらいているのを知らないか。政友会はもっとまじめにならなきゃいかぬ。
(中公新書『高橋是清』大島清著より)
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離党勧告しても、相手が離党しなければ何の意味もありません。そこで立憲政友会は、是清翁に対し、「別離」を声明するという結末になりました。
こう書いてきて思ったのですが、是清翁と今の小者政治屋とではスケールが違いすぎて同じ職業の人とは思えませんね。是清翁は、議事堂で酒を飲んでいたとかいう豪快な逸話の持ち主であらせられるわけですし。
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