奉和聖制從蓬萊向興慶閣道中留春雨中春望之作應制
標題の漢詩について書きます。王維の作です。長ったらしい題名ですが、近体詩は字数に制限があり、詩を詠んだ背景などを本文に書き込むことが難しい場合があります。なので、こうして題名に書き込んだりして長ったらしい題名になることがあります。
題名によると、この詩は皇帝陛下(玄宗)の御作に和したもののようです。本文は以下の通り。
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渭水自縈秦塞曲,黃山舊繞漢宮斜。
鑾輿迥出千門柳,閣道回看上苑花。
雲裡帝城雙鳳闕,雨中春樹萬人家。
為乘陽氣行時令,不是宸遊玩物華。
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一番気になるのは、最後の部分です。陛下がお出かけになることを「ただの遊びのように見えるがこれはただの遊びではないぞ」と揶揄しているようにもとれる内容です。こういう詩が世に出て、後世にも伝わっているということで、作者と玄宗の関係性やそれぞれの人柄が仄かに伝わってくるような感じがしますね。
これから連想されるのが、孟浩然の『歳末帰南山』です。この詩の「不才名主棄」という部分が玄宗を不機嫌にさせたということで孟浩然の世渡りの下手さが際立ちます。
このエピソードにも王維が出てきます。王維は世渡りがうまかったのかも知れませんね。
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